当たり前のようにやってくる今日という1日を、心の底から生きたいと願いながらも生きられなかった人がいるということ。私は、つい自分にないものばかりにとらわれて、自分に与えられているものの大切さを忘れてしまっていることに気づきました。
今、何気なく過ごすこの瞬間は、かけがえのない時間であるということを胸に刻み、1日1日を大切に生きていきたいです。
この記事であなたに伝えたいこと
乳癌検診を受け続ける怖さ
小林麻央さんが乳癌で亡くなり、言葉にできない思いに包まれています。
昨年の10月、私は乳癌検診で複数の嚢胞(のうほう)が発見されました。乳腺のう胞とは、乳腺の分泌物が溜まり、丸いしこりのような状態になっているものです。
医師によると、乳房に小さい嚢胞を持っている女性は珍しくないそうです。しかし、小林麻央さんも、初めはのう胞だから心配ないと言われた、そうブログに書いていたことが真っ先に頭に浮かんだことを覚えています。
今年の3月、経過観察のために乳癌検診の再検査をしました。医師に「のう胞の大きさが変わっていなければ、次の検査は1年後で大丈夫です」と言われていたため、大きさが変わっていないことを祈っていましたが、「のう胞が大きくなっている」と告げられました。
半年後にまた再検査をすることになり、今年の9月に再検査をする予約を取って、今に至ります。
今でも鮮明に思い出す26歳の子宮癌検診で、癌の可能性が高いと診断され、死を覚悟した時の記事はこちらです。「私達は、常に死と隣り合わせで生きている」ということ痛感した経験です。もしよかったら読んでください。
私はまだ乳癌と診断されたわけではないですが、小林麻央さんの様子はずっと気になっていて、麻央さんが前向きに病気と向き合う姿を心から応援していました。
小林麻央さんの言葉に、どれだけの人が勇気づけられたか。
同じ2児の母親として、麻央さんがその笑顔の影に感じていたであろう辛さ、苦しさを想像するだけで涙が溢れます。
心よりお悔やみ申し上げます。そして、深く深く感謝の気持ちを伝えたいです。
小林麻央さんがイギリスの放送協会、BBCに寄稿した記事は、日本中、いや世界中の母親たちへのエールです。記事の一部抜粋を紹介します。
小林麻央さんからのメッセージ
それまで私は、全て自分が手をかけないと
気が済まなくて、
全て全てやるのが母親だと
強くこだわっていました。
それが私の理想の母親像でした。けれど、
病気になって、
全て全てどころか、
全くできなくなり、
終いには、入院生活で、
子供たちと完全に離れてしまいました。自分の心身を苦しめたまでの
こだわりは
失ってみると、
それほどの犠牲をはたく意味のある
こだわり(理想)ではなかったことに
気づきました。そして家族は、
私が彼らのために料理を作れなくても、
幼稚園の送り迎えができなくても、
私を妻として、母として、以前と同じく、
認め、信じ、愛してくれていました。私は、そんな家族のために、
誇らしい妻、強い母でありたいと思いました。私は、闘病をブログで公表し、
自ら、日向に出る決心をしました。
すると、たくさんの方が共感し、
私のために祈ってくれました。そして、苦しみに向き合い、
乗り越えたそれぞれの人生の経験を、
教えてくれました。私が怖れていた世界は、優しさと愛に
溢れていました。人の死は、病気であるかにかかわらず、
いつ訪れるか分かりません。例えば、私が今死んだら、
人はどう思うでしょうか。
「まだ34歳の若さで、可哀想に」
「小さな子供を残して、可哀想に」
でしょうか??私は、そんなふうには思われたくありません。
なぜなら、病気になったことが
私の人生を代表する出来事ではないからです。私の人生は、夢を叶え、時に苦しみもがき、
愛する人に出会い、
2人の宝物を授かり、家族に愛され、
愛した、色どり豊かな人生だからです。だから、
与えられた時間を、病気の色だけに
支配されることは、やめました。なりたい自分になる。
人生をより色どり豊かなものにするために。だって、人生は一度きりだから。
小林麻央さんのメッセージは、病気だけではなく、人生のあらゆる困難を抱える人にも共通して響きます。
忙しくめまぐるしい日々の中で、私たちはつい忘れてしまいます。
今日という1日を、心の底から生きたいと願いながらも生きられなかった人がいるということ。
朝、光の中で目を覚まし、思いのままに体を動かし、愛しい子供を抱きしめられるということが、どんなに素晴らしいことなのかということ。
今、何気なく過ごすこの瞬間は、かけがえのない時間であるということを胸に刻み、1日1日を大切に生きていきたいです。
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子供のことを何よりも第一に考え、自分のことはいつも後回しで一生懸命育児を頑張っているお母さんたちへ。どうしても伝えたい、私からのメッセージはこちらです。もしよかったら読んでください。