新しい環境に飛び込むと、自分はもちろん子供の新しい才能を発見したり、将来の可能性を広げることに繋がります。
セブ親子移住した4年の間、なんと当時11歳の小学生だった息子がフィリピン映画に出演することになりました!
この記事では、息子の映画出演が決まった経緯とシヌログ映画祭で受賞した数々の賞についてお伝えします。
※子供が小学生までにセブ教育移住・海外子育てを経験しておくメリットについて書いた記事はこちらです。
この記事であなたに伝えたいこと
息子が出演した映画がシヌログ映画祭で数々の賞を受賞!
2016年2月6日、小学生の息子はフィリピンの映画に出演し、シヌログ映画祭で数々の賞を受賞しました。
セブ島最大のお祭りといえば、シヌログ祭りです。シヌログ祭りとは、サント・ニーニョという幼い頃のイエス・キリストを祝うお祭りで、フィリピンを代表するお祭りのひとつ。
毎年1月第3日曜日を大きな見せ場とし、その前の1週間がお祭り期間です。
シヌログ映画祭は、シヌログ祭りのお祝いをしつつ優秀な映画を表彰するイベントです。セブ最大級の映画館で、映画祭に出品された作品の上映会と授賞式が行われます。
わたしと子供達はシヌログ映画祭の式典にご招待いただき、16作品の短編映画を鑑賞した後、華やかな授賞式に参加させていただきました。
素晴らしい作品の数々の中で、息子が出演した映画「Lunch Box」は9つの賞にノミネート!
なんと主演女優賞、最優秀監督賞、映画大賞準グランプリに輝いたのです。本当に嬉しくて、感激した最高の思い出です。
シヌログ映画祭 授賞式の様子です。0:26~息子が実際に出演したシーンが映し出されています。
Youtube動画が見れない場合はこちらからご覧ください。
シヌログ映画祭 授賞式の様子
世界中で起きているいじめの原因とは
息子が出演した映画のストーリーは、いじめ問題をテーマにしています。
いじめを英語で「bullying」ということを初めて知った時はビックリしました。なぜなら、わたしは海外に出るまで、いじめは日本特有のものだと思い込んでいたからです。
日本特有のもの、つまり日本で生まれた文化やモノは、日本語の読み仮名がそのまま英語の単語となります。
たとえば、sushi(寿司)、origami(折り紙)、judo(柔道)、ikebana(生け花)、bonsai(盆栽)は日本語の読み仮名が世界共通語になっています。
それに対して、いじめという意味の英単語 bullying が元々あるということは、いじめは昔から英語圏でも起こっているということです。
この映画の主人公は、母親が日本に出稼ぎに行っているため父親と二人暮しの男の子。その男の子が、家庭内の問題や寂しさなどから小学校でいじめを引き起こすというストーリーです。
主人公はインド人とフィリピン人のハーフの男の子が演じました。私の息子の役どころは、主人公の男の子の母親が家政婦として働いている日本の家庭の子供という設定。
息子はオーディションに合格して映画出演が決まったのですが、日本人ということが決め手だったのかもしれません。ラッキーでした!
映画のオーディションの様子です。
出稼ぎ大国フィリピンが抱える闇
フィリピンでは自国よりも給料が高い国へ出稼ぎに行く人がとても多く、海外に1,000万人ほどのフィリピン人出稼ぎ労働者がいます。
フィリピン中央銀行によると、2015年1~11月にフィリピン人の海外出稼ぎ労働者がフィリピンへ送金をした総額は銀行振込だけで228億ドル(約2兆6千億円)です。
(参考:日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H4W_W6A210C1FF2000/)
海外で働くフィリピン人から送られてくるお金がフィリピン経済を支えているとも言われています。
フィリピン人出稼ぎ労働者の多さを思うと、きっとこの映画と同じような寂しさを抱えている子供が現実にたくさんいるだろうということを考えさせられました。
映画の中で、主人公の小学校の校長が、過去に自分の息子をいじめにより失ったことを語ります。
校長の息子は自殺したのです。「一生後悔の気持ちを背負うという同じ過ちをあなたに繰り返して欲しくない」と言った校長の言葉が深く心に響きました。
いじめの問題について考える時、いじめられる子供の辛さや境遇が注目されやすいですが、この映画では、いじめる側の子供の心の闇や背景などが中心に描かれています。
いじめをなくしたい。そのためにはいじめっ子を責めるだけではなく、いじめを引き起こしてしまう根本の問題を解決する必要があります。そんなことを考えさせられる深い映画でした。
身内びいきの感情を抜きにしても、涙が出るほど素晴らしかったです。
新しい環境に飛び込めば新しい才能を発見できる
各賞発表の合間にはシヌログ祭りにちなんだ素晴らしい歌やダンスのパフォーマンスが挟まれていて、8時間に及ぶ式典にもかかわらずとっても見応えがありました。
なかなか経験できない素晴らしい経験をさせてもらったこと、息子の大きな成功体験が作れたことに心から感謝しています。
この経験は、「勇気を出してセブに移住して本当に良かった!」と感じたたくさんの経験のうちの一つです。
それまでのわたしは、まさか息子に演技の素質があるとは思いもしませんでした。日本にいたらこのような機会に恵まれることもなかったでしょう。
新しい環境に飛び込むということは、自分はもちろん子供の新しい才能を発見したり、将来の可能性を広げることに繋がるのです。
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2児の母である私が親子留学先、移住先にフィリピンのセブを選んだ理由について書いた記事はこちらです。もしよかったら読んでください。