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【体験談】セブへの母子移住に繋がったアメリカ親子ホームステイ。グラミー賞受賞アーティストと家族のように過ごした1ヶ月間

こんにちは。フィリピンのセブに4年間母子移住をして人生が変わった親子留学カウンセラーのハナです。

実は、セブに移住する約9ヶ月前、2011年夏にアメリカのポートランドで1ヶ月間の親子ホームステイをしました。この体験が、セブへの母子移住を決断した理由に繋がります。

グラミー賞を受賞したバンド”The Shins”のボーカル兼リーダーであるジェームス・マーサーさんが、ホストファミリーとして私たち親子を迎えてくれたのです。

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The Shins(ザ シンズ)とは、3作目のアルバム”Wincing the Night Away”で、米国ビルボードチャート第2位を獲得した人気ロックバンド。世界各国でも大ヒットとなり、日本のフジロックフェスティバルや、イギリス、オーストラリアでもツアーを開催するアーティストです。

グラミー賞を受賞した曲は、ナタリー・ポートマン主演のハリウッド映画『終わりで始まりの4日間』の主題歌はこちら。

今回は、そんなアメリカの大物芸能人であるジェームス・マーサーさんの豪邸に親子でホームステイをした体験談を紹介します。

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福島第一原発事故後、急に娘が頻繁に鼻血を出すようになった

まず、なぜ幼い子供2人を連れてアメリカへ親子ホームステイをしようと思ったのか?

それは、東日本大震災で福島第一原発事故が起きた後、娘が頻繁に鼻血を出すようになったからです。

2011年3月11日、東日本大震災当時、娘は1歳、息子は6歳。

当時住んでいた埼玉県さいたま市は震度5強でしたが、マンションの高層階にあった自宅内部はもうメチャクチャ。重厚なピアノがキツツキのように壁を叩き、ものすごい轟音とともに壁に穴が開くという恐怖を味わいました。

そして、あの福島第一原発事故。

わたしはあまりにもバカで無知だったため、「さいたま市の空間線量が通常時の40倍」ということが何を意味するのかわからず、まるで無防備な生活を送っていました。

いつ起こるかわからない余震、毎日の計画停電のことで頭がいっぱいだったことを覚えています。

そんな中、原発事故後、急に娘が頻繁に鼻血を出すようになったことに異変を感じました。たまに出る程度の鼻血や、発熱等で粘膜が炎症している時に出る鼻血は心配ありません。

しかし、毎日、多い時は1日に何度も、さらには噴水のように鼻血を出し続ける娘を見て、地震とは違う言い知れぬ恐怖が襲ってきました。

かかりつけの小児科だけではなく、いくつかの病院を巡りましたが、どの医師も鼻で笑うような対応です。

「鼻血って、お子さんが鼻をほじっただけじゃないですか?」「放射能の影響がそんなにすぐに出るわけがないでしょう」

何度そう言われたことかわかりません。

基準値を引き上げて基準値内なので大丈夫、と言い出す始末


わたしだってそこまでバカじゃないです。

原発事故から1~2ヶ月の低線量被曝で子供がいきなり白血病を発症したんじゃないかとは思いません。

「ただちに健康に影響はない」という言葉が溢れていましたが、私は「今ただちにどうなるか」を心配していたわけではないのです。

5年後、10年後の子供達の健康に影響が出ないだろうか。

もし将来何らかの悪影響が出るとして、この鼻血がその兆候を表すサインではないだろうか。そうだとしたら、今できることはないのだろうか。

赤ちゃんの体調の変化やわずかな異変は、どんなに有能な医師よりも母親の方がわかります。

24時間一緒にいて、お腹が空いていないか、オムツが濡れていないか、どこか痛いところがないか、ずっと見ているんです。

穏やかに母乳を飲んでいる最中に急に鼻血が噴水のように吹き出す光景、それを見ていない人にいくら説明したところで、その危機感を共有してもらえる人はいませんでした。

関東近郊の土壌や食品、飲料水から基準値の数百倍、数千倍の放射性物質が検出されても、テレビでは当時の官房長官だった枝野さんが「ただちに健康に影響はありません」を繰り返すばかりです。

後から後から隠された事実が出てくる状況。国民を被曝から守るのではなく、食品等の暫定基準値を大幅に引き上げて「基準値内なので大丈夫」と言い出す始末に不安は募りました。

何か行動を起こさなければ

政府の発表をやみくもに否定したいわけでも危険を煽りたいわけでもありません。ただ、真実を知りたい。正しい情報は何なのか疑問を持つようになりました。

放射能の影響を受けにくい大人は大丈夫かもしれない。

健康で免疫機能の強い子供も大丈夫かもしれない。

でも、うちの子供たちはアトピー性皮膚炎があります。もともと免疫機能が弱いです。

もし100分の1の確率で子供の健康に深刻な影響を及ぼすとして、我が子がその100分の1に当たってしまったら、それはもう自分にとっては100でしかないんです。

わたしは放射能に関する科学の本や過去の原発事故等の資料を読み漁り、放射線被曝専門医の講演会や医療勉強会に足を運び、様々な専門家の見解を伺いながら徹底的に勉強しました。

勉強すればするほど、ぼんやりとしていた私の中の危機感はハッキリと鮮明になっていきます。

日本でこんなに深刻な事故が起こるまで原発問題に無関心だった自分を責めると同時に、激しく後悔しました。わたしが無知だったばかりに我が子を被曝させてしまった。そればかりが頭を巡ります。

そして、その果てしない後悔が「何か行動を起こさなければ」という衝動に変わりました。そんな時に、NPO法人チェルノブイリのかけはしの活動とその実績を知ったのです。

チェルノブイリ原発事故から福島原発事故までの約20年、ベラルーシの被災児童を日本で受け入れ、保養運動をされていた団体です。

世界で日本の親子を積極的に受け入れる動き

放射能汚染の高い地域では、チェルノブイリ・エイズと言われる症状があります。被曝により免疫機能が低下することで、頭痛、腹痛、鼻血などに日々悩まされ、体のあちこちに不調をきたしている子供たちの症状です。

そういった子供たちを1ヶ月ほど放射能汚染のない土地で保養することで症状がかなり改善されたことを知り、一筋の光が差し込みました。

また、この20年の保養運動のデータにより、1ヶ月程度の保養がその後の深刻な病気の発生を予防することにも繋がることがわかったのです。

このような保養運動は、日本だけではなく世界各国で行われていることを知り、私は世界に目を向けました。幸い、わたしは数回の短期留学経験があり最低限の英語力があったので、世界中の保養受け入れ情報に触れることができました。

そこで目に飛び込んできたのが、アメリカのホームステイ情報です。

日本のメディアでは、様々な利権やスポンサーの絡みなどでバイアスのかかった報道がされています。しかし、海外では日本の原発事故の深刻さやその影響がストレートに報道されています。

その状況を憂い、日本の子供たちを救いたいという世界中の有志の方により、子供の健康に不安を感じる日本の親子を積極的に受け入れる動きが起きていたのです。

国境を越えてわたしの思いが伝わった

様々な国のたくさんの保養受け入れ情報の中から、娘と同い年の女の子がいるご家庭に目を留め、メールを送付しました。

この時点では、まさかハリウッドセレブの家などとは夢にも思わず。

ただ自分と子供たちの現状、子供たちの健康に対する不安な思いを、当時のわたしの不十分な英語力を駆使して精いっぱい書き連ねました。

数日後、受け入れ先ホストファミリーからメールの返信があった時はすごく感動したことを覚えています。他にも保養希望の方がいたそうですが、私たち親子を受け入れることを決めたとのことでした。

国境を越えてわたしの思いが伝わった!そう思いました。本当に本当に嬉しかったです。

2011年7月、息子の小学校の夏休みが始まると同時に、1歳の娘を抱っこして、7歳になったばかりの息子の手をひき、米国ポートランドへ向かいました。

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ポートランドの位置はアメリカ西海岸のサンフランシスコの北、シアトルの少し南にあたります。

環境都市として有名なポートランドに住む人達は、環境にも人にも優しく、意識が高い方ばかりです。

ホームステイ先はグラミー賞アーティスト


初日、子連れの初海外でドキドキしながら空港のゲートを出ると、ホストマザーのマリサが空港に迎えに来てくれていました。

渡航前に何度もメールでやり取りをしていた彼女は、偶然にもわたしと同い年で2児の母。お互いの第2子も同い年で女の子同士だったので、子育て話からすぐに打ち解けました。

彼女は愛車レクサスに乗り、「日本の車は最高よ~、品質が素晴らしいから日本製品が大好きなの」と眩しい笑顔。

嬉しい日本トークに花を咲かせながら到着した家は、もう豪邸を絵に描いたような大豪邸で目玉が飛び出そうになったことを覚えています。

大きな門が開くと、その門の外からは伺い知れない広大な敷地の中に、お姫様気分になれる大きな邸宅。

その奥には車が走れるほど広いお庭と家庭菜園、その奥にはミュージック演奏専用のお家やゲスト滞在用のお家などなど、めくるめく夢の世界が広がっていました。

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ここに来て初めて知ったのですが、マリサは元ニューヨークの記者で現在はデザイナー兼会社経営者。

旦那さんのジェームス・マーサーはグラミー賞や全米ビルボードチャート2位に輝いた有名なアーティストだったのです。


ゆうに20畳はあるキッズルームには世界各国のおもちゃやお絵かき道具、折り紙、知育玩具がたくさん!

娘も息子も目を輝かせてマリサの子供達と一緒に遊び始めました。ホッと安心した瞬間です。

それ以外にも、走り回れるほど広々としたサンルームやシアタールーム、ゲストルーム、ミュージックルームなどなど、家の中で迷子になりそうなほど。

わたしが足を踏み入れた1階と2階だけでも10部屋くらいある豪邸に広大なお庭があり、子供たちは毎日まるでテーマパークにいるようにワクワク楽しそうでした。

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マリサとわたしは、趣味のガーデニングや料理、子供の教育、子育て中ならではの話をすればするほどに気が合いました。

彼女と長年の友人のような濃い時間を過ごせたことは最高の想い出です。

ポートランドで過ごした1ヶ月は、それまでわたしが31年間生きてきた生活とはかけ離れていて、まるで映画のなかの世界。まさに夢のような時間でした。

ポートランドで出会った全ての人に心から感謝

世界で活躍するアメリカの芸能人にもかかわらず、ジェームスとマリサは、わたしにも子供たちにも本当の家族のように接してくれました。


彼らの娘2人も、娘と息子と兄妹のように仲良くなり、毎日が映画の世界のようにキラキラと輝いていて楽しかったです。

もう上げたらキリがないほど宝物のような想い出がいっぱいで、感動の連続の1ヶ月間でした。

マリサの専属ベビーシッターに子供たちを預けて、マリサのお友達のヨガ教室に一緒に参加したこと。

ジェームスのコンサートに招待されて素晴らしい歌声に感動したこと。

コンサート会場の楽屋に入れてもらいメンバー全員に紹介され、関係者の打ち上げまで参加させてもらったこと。

ジェームスのご両親も一緒にみんなでロサンゼルス旅行に行き、ディズニーワールドで思いっきり遊んだこと。

1,000人のゲストが集まるガーデンパーティに招待され、それぞれのゲストが持参した世界中の料理を食べ比べをしたこと。

そして、ホームステイ中に迎えたわたしと娘の誕生日を温かくお祝いしてもらったこと。

勇気を出し、一歩を踏み出して、というか日本を飛び出してきて、本当に良かったと思いました。

マリサ、ジェームスはもちろん、ポートランドで出会った全ての人に心から感謝しています。

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帰国後、娘の鼻血が再発した

そんな中で何よりも衝撃を受けたのは、あれほど心配していた娘の鼻血がアメリカに来た途端にピタッと止まったことです。

嬉しい反面、現実を直視させられたようでショックでした。なんだかんだ言っても、自分が住んでいる場所が汚染されているなんて認めたくない、という気持ちがあったことを痛感します。

我が子だけではありません。

同じ時期に、東京、埼玉、茨城、福島から約10組の親子がそれぞれ同じ目的でポートランドの別々の家に保養に来ていて交流をしたのですが、その子供たち全員が、日本で悩まされていた鼻血や体調不良などの症状を劇的に回復したのです。

このとき漠然と、もっと長期で海外に移住した方が良いのではないか、という思いが湧き上がったことを覚えています。

その思いは、帰国後、娘の鼻血が再発したことからますます膨らみます。もちろん、健康面への不安だけでなく、「子供たちの視野を広げて世界のどこでも生きていける力を育みたい」という強い思いも抱きつつ。

そして、9ヶ月後にセブへ出発。アメリカでの体験は、フィリピンに4年間母子移住することを決断した理由に繋がりました。

* * * * *

フィリピンのセブに母子移住することを決断した理由について書いた記事はこちらです。もしよかったら読んでください。

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