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障害を乗り越えられる人なんていない。パラリンピック金メダリスト村岡桃佳選手の言葉が胸に刺さった講演会。

パラリンピック金メダリスト村岡桃佳後援会設立総会と記念講演会に行ってきました。

地元深谷市出身で深谷市親善大使を務める村岡桃佳さんが、平昌(ピョンチャン)パラリンピックでアルペンスキーの5種目に出場し、金メダルをふくむ5個のメダルを獲得したことは今年の大きなニュースとなりました。1大会で5個のメダルを獲得したのは、冬の大会の日本人選手では男女を通じて最多です。

深谷市教育委員会、深谷市地域振興財団が主催する講演会だったため、地元小学校PTA副会長として参加させていただきました。

深谷市が誇る村岡桃佳選手の活躍


村岡桃佳選手は、正智深谷高校に在学していた17歳の時にソチパラリンピックで5位入賞を果たし、早稲田大学に在学している21歳のことし、平昌パラリンピックで5個のメダルを獲得しました。

平昌パラリンピックでは、開会式の旗手もつとめ、なんと日本人が取った10個のメダルのうち、半分の5個を村岡桃佳選手ひとりで取ったんです!

この素晴らしい偉業を成し遂げたことに対して、埼玉県民栄誉賞、深谷市民栄誉賞が授与されました。

村岡桃佳選手は、日本が夏の8月は南半球のニュージーランド、9月はオーストリアでトレーニングをするなど、1年の3分の2は海外生活だそうです。

今日も合宿から帰ってきたばかりで、1年中世界中を遠征して、極寒の地で競技スキーの練習をしている桃佳ちゃん。4年後の北京パラリンピックに向けて、地元のみんなで応援しよう!ということで後援会が設立されました。

障害を乗り越えられる人なんていない

村岡桃佳選手は4歳のときに病気で下半身麻痺となり歩けなくなりました。

それからは自分がすごく嫌で、周りの友達と違う自分が受け入れられず、「なんで自分なんだろう」「なんで周りの友達ができることが自分はできないんだろう」と何度も何度も思い、正直、いまも思うことがあるのだといいます。

障害を乗り越えられる人なんているのかな?という村岡桃佳選手の言葉が胸に突き刺さりました。

じつは、村岡桃佳選手自身、いまも障害を乗り越えることはできないし、受け入れることもできないけど、やっと「障害を受け止めることができる」ようになったのだそうです。

パラリンピックの金メダリストでさえも「障害を乗り越えることはできない」のならば、きっと「障害を乗り越える」なんて誰もできないのだろうし、そうではなくて「障害を受け止める」のだという言葉が、強く強く心に響きます。

そう考えると、わたしごときが様々な困難を「乗り越えられない」のは当たり前なんじゃないかと心の底から納得しました。

村岡桃佳選手は障害者スポーツを始めて自分だけじゃないんだと思えるようになり、自分のことが嫌だという辛い思いを忘れて自分らしくいられるようになったそうです。スポーツに出会えて本当によかったと話した桃佳ちゃんの笑顔が忘れられません。

村岡桃佳選手後援会設立総会の様子


深谷市長 小島進さん、衆議院議員 小泉龍司さんのあいさつの後、深谷市親善大使であるドトールコーヒー名誉会長 鳥羽博道さんからの祝辞がありました。

会場となった深谷市民文化会館に集まった人たちは1,000人以上。鳥羽さんの「我が社の株主総会でもこんなに人は集まらない」という言葉で、会場からドッと笑いが沸き起こります。

村岡桃佳選手は高校時代から、毎日学校が終わると群馬県や長野県など他県のスキー場に通って練習していたというエピソードも紹介されました。

競技スキーの滑降では時速100キロを超えるスピードが出ます。車でも時速100キロを超えるのは怖いのに、生身の体ではとてつもない怖さです。

村岡桃佳選手は練習で何度も何度も転倒したそうですが、これだけの猛スピードで転倒すると、氷上やコンクリートに強打するような痛さだといいます。

それでも諦めずに練習を続けた努力が、5つのメダルという結果となったのです。

「マスコミはブームが去ると話題にさえしなくなりますが、ここにいる人たち、後援会の人たちはずっと応援しています」という市長の言葉が印象的でした。

村岡桃佳選手のスキー人生の軌跡

村岡桃佳選手は陸上競技を経て、中学2年から本格的にチェアスキーを始めました。スキーなどのシーズンスポーツは「今しかできない」という思いから楽しさが倍増する気がするとのこと。

スキーが好きで長野県菅平高原の練習場へ行く頻度が多くなり、自由に滑るフリースキーを楽しんでいたところ、誘いを断れずに競技スキーをするようになったそうです。自分はNOと言えない日本人の典型的な感じだと笑っていた桃佳ちゃんが可愛らしかったです。

そして、「普段は感じることのできない風を感じれることが楽しい」そう語る桃佳ちゃんのキラキラした笑顔が本当に素敵でした。

競技スキーは制限が多いので、自由にスキーを滑る楽しさがないものの、少しずつ上達するにつれて競技スキーも楽しいと思うようになったそう。

はじめて出場したソチパラリンピックでは、プレッシャー・重圧・独特の空気感に圧倒されてしまい、結果は5位。ものすごく悔しさが残る大会で、次回の平昌パラリンピックでは絶対にメダルを取るということを決意したと言っていました。

表彰式でメダルを受け取る選手たちをみて、次回は必ず、自分がその場所に立ちたいと思ったのだそうです。

競技スキーは、とにかく寒いし、痛いし、辛い。
なんで私はスキーをやっているんだろう、と思うことも多々あったのだといいます。

しかし、ソチパラリンピックで味わった悔しさと平昌パラリンピックへの決意があったからこそ頑張ってこれたという桃佳ちゃん。

今となっては、スキーをやめなくて良かったと心から思っているそうです。

平昌パラリンピックの村岡桃佳選手出場種目


村岡桃佳選手が出場したアルペンスキーの5種目は以下となります。

・大回転:金メダル
・回転:銀メダル
・滑降:銀メダル
・スーパー大回転:銅メダル
・スーパー複合:銅メダル

滑降という種目は時速100キロ以上のスピードが出るほどなので、かなり移動距離もあり、高低差もあり、とても危険な種目なのにもかかわらず、なかなか練習できるところがありません。

本番前は胸元にビニール袋を用意するほど緊張したそうですが、銀メダルが確定した時、スクリーンに映し出される自分の名前を見て、嬉しさよりもホッとした安堵感で涙が出たそうです。

信じられない気持ちと、滑りきれて良かった、生きていて良かった、という気持ちでいっぱいだったと。

また、5つのメダルのなかでは、最終日の「回転」の銀メダルが、いちばん思い入れが強いといいます。

最終日の競技場のコースはもはやでこぼこの状態。そこで転んでしまい、一瞬「やってしまった。もう私の平昌パラリンピックは終わった」と思ったそうですが、すぐに起き上がり滑りきったのは本当にすごい。

さらに記録の掲示板を見たら、その時点で自分が1位にいることにものすごく驚いたそうです。途中であきらめなくて本当に本当に良かったと言っていた村岡桃佳選手に勇気をもらいました。

小学6年の車イスの少女からの贈る言葉

講演会の最後に、深谷市内の小学6年生の車イスに乗った少女から、花束と村岡桃佳選手への言葉が贈られました。

「わたしは4歳のときに鉄棒から落下して車イスになりました」という少女の言葉に、会場が静まり返ります。

「でも、自分に障害があることがマイナスだとは思っていません」とハッキリと明るい声で話す姿はとても凛としていて、聡明さが溢れるほど伝わってきました。しかし、一方で「車椅子に乗ってて楽だね、羨ましいと言われると、とても嫌な気持ちになります」と話す声はなんだか張り裂けそうでした。

彼女は将来、村岡桃佳選手のようになりたいそうです。

先生に『努力は人を裏切らない』と言われているから、人一倍、勉強も運動もがんばっているという少女。

「障害は、神様がくれたご褒美だと思っています」と言った少女の笑顔がとっても輝いていて、胸が熱くなりました。

応援してくれている人たちのためにも、北京オリンピックではもっと金メダルの数を増やして、もっと良い結果が出せるように頑張りたいと答えた村岡桃佳選手。

村岡桃佳ちゃんも、彼女のようなスポーツ選手を目指す少女も、これからもずっと応援していきたい。そう強く思った1日でした。

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