こんにちは。セブ親子留学カウンセラーのハナ(@harunatzy)です。
ここ10日間ほどで、セブ留学業界が揺れに揺れ、一気に危機的な状況を迎えています。
3月11日、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの感染状況についてパンデミックの認定をしたことがその発端でしたが、それすらもうはるか昔のことのようです。
そこからはもう怒涛のように各国の動きが加速。様々な措置が発令され変更され厳しくなるという繰り返し。
ガチで毎時間のように各国の情勢が変わるという目まぐるしい日々だったので、今回はセブがロックダウン状態となるまでの経緯とセブ留学業界の現状をお伝えします。
この記事であなたに伝えたいこと
セブ留学業界も大打撃!フィリピン政府の都市封鎖スピードが早すぎて死ぬ
フィリピン国内の新型コロナウィルス感染者10人という段階で緊急事態を宣言したドゥテルテ大統領。
つい2週間前の3月10日の時点では、「日本への渡航制限は不要。感染者が1,000名を超えなければ封鎖は検討しない」と明言していたんです。
その発言に、わたしもうっかり安心というか油断していました…
きっとセブ留学業界仲間のだれもがこの時点では数日後に学校閉鎖をせざるを得ない状況にまで追い詰められるとは思っていなかったでしょう。
とはいえ、留学事業に携わるものとして、危機管理や予測が甘かったことを深く反省しています。
3月12日には、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの感染状況についてパンデミック(世界的な大流行)の認定をしたことが日本でもニュースに。
その後、次々にドゥテルテ大統領が決断する措置の実行スピードが早いなんてもんじゃない!!!
新型コロナウィルス感染拡大防止のための各所の規制について、フィリピン政府の発表とセブ州の発表、セブ市の発表が食い違う!しかも発令したり撤回したりコロコロ変わる!
まぁ見事に翻弄されてきたわけですが、ついに24時間の外出禁止令がでて、すべての外国人のビザ発給が停止され、あっという間にセブは事実上の封鎖(ロックダウン)となりました。
ちなみに、3月12日の時点の新型コロナウィルス感染者数は、日本620名に対して、フィリピン49名です。(厚生労働省ホームページより)
新型コロナウィルス感染拡大防止のための各国の主要ニュースまとめ
新型コロナウィルス関連の各国の主なニュースを時系列にまとめます。
■3月13日(金)
- フィリピン、マニラ首都圏を1ヶ月封鎖
- アメリカ、カリフォルニアのディズニーランド閉鎖
- 日本を含む感染確認国/地域からの入国制限が35カ国/地域に拡大
■3月14日(土)
- アメリカ、国家非常事態を宣言
- デンマーク、1ヶ月国境閉鎖
- カナダ、全入国者に自主隔離を要請
- 日本を含む感染確認国/地域からの入国制限が45カ国/地域に拡大
■3月15日(日)
- フィリピン、ボホール島/カオハガン島封鎖
- シンガポール、入国者は外出禁止
- オーストラリア、全入国者に自主隔離を要請
- スペイン、不要不急の外出禁止
- ノルウェー・エアシャトル、4,000便を欠航と発表
■3月16日(月)
- フィリピン、セブの公立私立学校すべて閉鎖
- ドイツ、出入国禁止
- アメリカ、CDCよりイベント中止/延期の勧告
- 日本を含む感染確認国/地域からの入国制限が56カ国/地域に拡大
■3月17日(火)
- フィリピン、全入国者に自主隔離を要請
- ロシア、国境封鎖
- フランス、全土で外出禁止
- カナダ、入国禁止
- ユナイテッド航空、運航便を50%削減
- デルタ航空、運航便を40%削減
- アメリカン航空、国際線を75%削減
- 日本を含む感染確認国/地域からの入国制限が75カ国/地域に拡大
■3月18日(水)
- フィリピン、セブ夜間外出禁止令
- フィリピン、セブすべての港を閉鎖
- スウェーデン、高校・大学を閉鎖
- EU、渡航制限
■3月19日(木)
- セブ・パシフィック航空、国際線の運航を停止
- オーストラリア、入国禁止
- ニュージーランド、入国禁止
- アメリカ、ビザ発給を一時停止
- イギリス、一斉休校
■3月20日(金)
- フィリピン、ビザ発給の一時停止と発給済のビザ無効化を発表
- フィリピン航空、国際線の運航を停止
- アメリカ、カリフォルニア州で外出禁止令
- アメリカ、全国民に海外渡航中止と帰国要請
- 日本を含む感染確認国/地域からの入国制限が131カ国/地域に拡大
■3月21日(土)
- フィリピン、すべての外国人のビザ発給停止のほか、発給済のビザも無効化
- ジャカルタ、非常事態宣言
- オーストラリア、シドニーのビーチ封鎖
- アメリカ、ニューヨーク州の全就業者に在宅命令
■3月22日(日)
- フィリピン、セブ学生と65歳以上の人は24時間外出禁止
- シンガポール、入国禁止
- オーストラリア、飲食店や映画館閉鎖
- ドイツ、ザクセン州で外出禁止令
■3月23日(月)
- ニュージーランド、すべてのオフィスと学校閉鎖決定
- イギリス、外出禁止令
- 日本、欧州18カ国とイランへの渡航中止勧告
- 日本を含む感染確認国/地域からの入国制限が158カ国/地域に拡大
人生、明日のことはわからないって痛感します。
人生をかけて留学の準備をしてきた人たちと万全の体制で受け入れる準備をしてきた学校スタッフたち
フィリピン留学業界が揺れるといっても、一言では到底表すことができない様々な影響がでています。
航空会社や現地オプショナルツアー会社など、多方面が大きな打撃を受けていますが、
- 学校閉鎖となり収入が途絶えてしまうフィリピン人スタッフや先生たち
- すべてを調整して留学準備を進めてきたのに急に渡航できなくなった方
- セブ留学中に、突然学校が閉鎖となり急遽帰国せざるを得なくなった方
に出ている影響が、わたしとしては本当に苦しいです。上記それぞれの状況を以下にご紹介します。
1.学校閉鎖となり収入が途絶えてしまうフィリピン人スタッフや先生たち
そりゃフィリピンなので今までも突然降りかかってくる途上国らしい問題はたくさんありましたが、ひとつひとつを乗り越えながら、積み上げるように学校をつくってきたスタッフや先生たち。
そうやって全力で大きくしてきた学校を、急遽、自ら閉鎖せざるを得なくなりました。
フィリピンでは、「No Work No Pay(ノーワークノーペイ)」という原則により、学校が休校となった場合は先生の給料が発生しません。
ほぼ貯金なんてなく、毎月給料が出るたびに全財産を使い果たしているフィリピン人にとって、給料が止まってしまうのは死活問題です。
そのため、どうにかフィリピン人スタッフと先生たちの給料分の最低限の収入を得なければと、多くの学校が至急オンライン事業を立ち上げています。
2.すべてを調整して留学準備を進めてきたのに急に渡航できなくなった方
セブ親子留学からのフィリピン母子移住に向けて家族の説得をして、一年以上かけて留学費用と移住資金を貯めて、いざ会社を辞めて、渡航準備は万端。
そうやって留学のためにすべての調整をしてきたお客さまはたくさんいます。
その渡航予定日の前々日にフィリピン政府の指示により学校休校が決定。すぐに説明をするために電話をしました。
「授業が受けられなくても、リスクがあっても、それでもいいからセブに行きたい」と言ったお客さまの思いが胸に刺さっていて、今の状況が悔しくて悔しくてしょうがないです。
留学は延期されることになりましたが、思わず電話で話しながら涙が溢れてしまいました。
3.セブ留学中に、突然学校が閉鎖となり急遽帰国せざるを得なくなった方
ずっと留学に憧れていたものの結婚や出産をして諦めていたママさんが、3ヶ月間の親子留学の予定で渡航。
留学開始から2週間で、すべてのセブの語学学校に営業停止命令が出たのです。
さらに3月20日〜4月14日のセブ発日本便が急遽すべて欠航となったため、帰国できなくなってしまった留学生が1,000人以上にのぼりました。
その後、セブ日本人会からフィリピン航空に公式な依頼を提出し、臨時チャーター便4便の運航を実現。
おかげさまで、わたしのお客さまたちも全員無事に帰国できましたが、今後どうなるかわからない状況の中で本当に不安と無念を感じられたことと思います。
人生をかけて留学の準備をしてきた方たち、万全の体制で受け入れる準備をしてきた学校スタッフたち、悔しくも留学を中断して帰国をした方たちの思い、どちらも辛くて気持ちがわかりすぎて心がえぐられる思いです。
コロナショックにより世界が変わろうとしている
実は、現段階ですでに、世界の小規模語学学校のうち複数校が倒産を発表しました…
今回、留学業界にかかわらず、コロナショックでとんでもなく苦しい思いをされている方がたくさんいると思います。
まるで真っ暗闇の中でジェットコースターに乗っているような日々ですが、なんかもう死にそう…と思ったら、ある言葉が浮かびました。
死ぬこと以外かすり傷
いつもしんどいことがある度に唱えてきた呪文のような言葉です。
大丈夫。生きていればいくらでも挽回できますね。
コロナショックであらゆる業界が大きな打撃を受けていますが、世界中でオンライン事業が急速に拡大し、テレワークの仕組みが整えられ、世界が変わろうとしています。
マイナスがあれば、そこから生まれるプラスもあるはず。
中世ヨーロッパでは、黒死病(ペスト)の大流行からルネサンスの思想が生まれ、そこから近代が始まったと言われています。
今回苦しんだ方たちの思いを無駄にしないように、セブ留学業界を再び盛り上げていける日を信じてプラス思考で動き続けます!
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2児の母である私が親子留学先、移住先にフィリピンのセブを選んだ理由について書いた記事はこちらです。もしよかったら読んでください。