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  1. 体験談インタビュー

SHIBUSAWA CUP本選、小学生から大学生の5チームが深谷市産業祭に出店します

第13期ジュニアビジネス留学で笑顔を見せるOcean Mate 3の3人と「セブ島で出会った中高生3人の『ふっかすてら』」の文字

11月7日(土)・8日(日)、深谷市産業祭で「SHIBUSAWA CUP 〜ジュニアビジネスチャレンジ〜」の本選が開かれます。8月の予選を勝ち抜いた小学1年生から大学3年生までの5チームが、例年8〜10万人が訪れるお祭りの中で、本当にお店を出して自分たちのビジネスに挑戦するのです。

この記事では、主催する深谷商工会議所青年部(深谷YEG)地域活性化委員会の委員長として、大会が目指していること、出店する5チームのビジネスプラン、そして本選を前に自分たちでPRに動き、新聞の取材につなげた中高生チーム「Ocean Mate 3」の取り組みをご紹介します。

SHIBUSAWA CUP 第1回予選大会の参加者と審査員の集合写真

SHIBUSAWA CUPが目指していること

SHIBUSAWA CUPは、渋沢栄一翁の生誕地・深谷市で、深谷YEGが令和8年度の地域活性化事業として立ち上げたビジネスコンテストです。対象は全国の小学生から大学生まで。第1回となる今年は、10チーム・35名から応募がありました。

本大会のミッションは、こちらです。

渋沢栄一のマインドを受け継ぎ、深谷市を活性化させる「SDGsビジネス」を発掘せよ!

渋沢栄一が残した「道徳経済合一説」は、利益を出すことと、世の中の役に立つことを両立させるという考え方です。

起業家教育は大切だと言われながら、学校の中だけで「実際に売ってみる」ところまで取り組むのはなかなか難しいのが現実。だからこそ、地域の経営者が集まる青年部がその場を引き受けよう、というのがこの大会の出発点でした。

SHIBUSAWA CUPは、2つのステージで構成しています。

  • STAGE 1(予選・8月29日):ビジネスプランを発表し、審査員4名が審査
  • STAGE 2(本選・11月7日・8日):深谷市産業祭で、実際に出店して販売

予選を通過した5チームには、活動資金10万円と産業祭への出店権が贈られ、深谷YEGの経営者が2名ずつメンターとして伴走します。プランを考えて終わりではなく、お客さまに届けて対価をいただくところまでやる。ここがこの大会のいちばんの特徴です。

本選に出店する5チームのビジネスプラン

小学1年生から大学3年生まで、学年も住んでいる地域も多様な5チームです(学年順・予選時の企画名)。

  • HAPICO(小1・小5/保護者含めて3名)「子どもの気持ち・投資かるた」:家族の時間を取り戻すかるた
  • genesis(中2/3名)「野菜ガチャビジネス」:捨てられてしまう野菜を、ガチャガチャで楽しく届ける
  • Ocean Mate 3(中1・中3・高2/3名)「ふっかすてら」:深谷のブロッコリーと大和芋を使った、ふっかちゃんの焼印入りカステラ
  • We love Yoshikawa(中2/4名)「ブロッケ」:深谷のブロッコリーの食品ロスを生かしたコロッケ
  • 埼玉工業大学 深谷・本庄地域魅力発見プロジェクト(大学3年/5名)「地域と福祉のホットドッグ」:福祉施設のベーカリー、地元のイタリアン、大学の3者でつくるホットドッグ

かるた、野菜ガチャ、カステラ、コロッケ、ホットドッグ。同じ「深谷を元気にする」というミッションから、これだけ違うビジネスが生まれました。予選の点差はごくわずか。それでも、全審査員一致で上位5チームが選出されました。

予選の様子はこちらにまとめています。

自分たちでPRに動いた中高生チーム「Ocean Mate 3」

本選に向けて、どのチームも準備を進めています。その中で、ひときわ積極的に動いているのがOcean Mate 3です。

3人は自分たちでプレスリリースを書き上げ、千葉や埼玉の記者クラブに持参しました。親の力を少し借りながらも、9割は自分たちで1から書いたそうです。その行動が実を結び、11月1日には熊谷経済新聞さんの取材を受けました。

売るものをつくるだけでなく、知ってもらうところまで自分たちでやる。大会が届けたかった「実践」を、本選の前から形にしてくれているチームだと思います。

熊谷経済新聞の取材を受けるOcean Mate 3のメンバーと西倉西間堂の西倉社長

セブ島で出会った3人

Ocean Mate 3は、千葉県に住む高校2年生と中学3年生、そしてフィリピン・セブ島に住む中学1年生の3人チームです。

実は3人とも、深谷とはもともと縁がありません。出会ったのは、2026年夏にセブ島で開催した『ジュニアビジネス留学』第13期のビジネスキャンプでした。意気投合した3人はキャンプ内のプレゼン大会で最優秀賞を獲得し、「次のステップ」としてSHIBUSAWA CUPに応募してくれたのです。キャンプの運営者としても、とっても嬉しい出来事でした。

第13期ジュニアビジネス留学(2026年夏・セブ島)のインタビューで笑顔を見せるOcean Mate 3の3人

商品は2種類の「ふっかすてら」

完成した「ふっかすてら」は2種類です。どちらも1個300円で、産業祭だけの限定販売です。

  • 抹茶ブロッコリーかすてら:米粉に抹茶とブロッコリーパウダーを合わせた、深い緑色のかすてら
  • 大和芋のもちもちかすてら:米粉に大和芋を練り込んだ、もちもちでなめらかな食感のかすてら

深谷の象徴といえば、渋沢栄一とふっかちゃん。「渋沢栄一×カステラ」と「ふっかちゃん×カステラ」の両方で考えてみて、語呂がよくてかわいいのは「ふっかすてら」だった。名前が出た瞬間に、全員で「これだ!」となったそうです。

深谷の大和芋(左)とブロッコリー(右)を使った2種類のふっかすてら。ふっかちゃんの焼印入り

なぜブロッコリーと大和芋なのか

「深谷といえば?」と聞くと、ほとんどの人が「深谷ねぎ」と答えます。でもチームが調べてみると、深谷はブロッコリーの作付面積と産出額で、市町村別の日本一(農林水産省のまとめ)。大和芋もつくっている。それなのに、深谷ねぎを使ったお菓子はよく見かけるのに、ブロッコリーや大和芋のお菓子はほとんど見かけない。

だからこそ、「深谷ってブロッコリーや大和芋もすごいんだ!」と知ってもらいたい。ネギだけじゃない深谷を届けたい。これがチームの出発点です。

チームのプレスリリースには、こんな発見も書かれていました。渋沢栄一は、千葉を走る総武鉄道の建設にも資金を援助していたそうです。一見縁のない千葉と深谷は、渋沢栄一を通してつながっていた。リリースは「渋沢栄一に続け!」という言葉で締めくくられています。

失敗の連続から、西倉西間堂さんとの出会いへ

一番つまずいたのは、つくる場所でした。予選の段階では「自分たちの家で400個つくる」計画でしたが、家で試作すると生地が水っぽくなったり、ブロッコリーの青臭さが出たり。家で400個は現実的ではない、という指摘も受けました。

製造してくれるお店を探し始めたものの、まず親に断られ、30社以上の企業にメールを送っても返事が来ない。試作品も、生地が膨らまない、ブロッコリーの緑が消えてしまう。そんなチームを助けてくださったのが、深谷市の老舗和菓子店「西倉西間堂」の西倉社長でした。社長も最初は迷われたそうですが、実際に会って熱く訴えられ、「それなら一緒にやってみよう」と決めてくださいました。

ブロッコリーだけでは色も味も出なかったため、「緑色のお菓子」を調べて抹茶を合わせることに。まずブロッコリーの量を決めてから抹茶を加える、という順番で試作を重ねて、いまの緑のかすてらができあがりました。

メンターに教わった「遠くからでも目立つ」お店づくり

担当メンターから教わったのは、商品よりも「どうすればお客さんに足を止めてもらえるか」でした。ブースの真ん中だけを飾る予定だったところ、上・中・下の3段で色をそろえたほうが全体の見栄えがよくなること。茶色の地に黒い文字で書いてみたら、「茶色と黒は遠くから見たら全く目立たないよ」と。

大人にとっては当たり前のことかもしれません。でも、自分たちで書いてみて、指摘を受けて、直す。この経験は、教科書を読むだけでは得られないと思います。

西倉西間堂の店内でふっかすてらを手にするOcean Mate 3のメンバーと西倉社長

11月7日・8日、5つのブースで会いましょう

Ocean Mate 3の目標は完売です。「売るだけだったら、周りとそんなに差は出ないと思う。だから宣伝でお客さんを引き寄せたい」。西倉社長も「本人たちが一番熱くなっている商品なので、当日は絶対完売すると思います」と話してくださいました。

ほかの4チームも、それぞれのやり方で本選に向けた準備を進めています。小学1年生が考えたかるたも、大学生が地域と組んだホットドッグも、8〜10万人が訪れるお祭りの中に並びます。

自分の考えたことが本当に街を動かすかもしれない。この大会でいちばん届けたかったのは、その手ごたえです。小学生から大学生までの5チームがその手ごたえをつかむ2日間を、ぜひ会場で見守っていただけたら嬉しいです。本選の様子は、終わったあとにこのブログでレポートします。

渋沢栄一翁ののぼり旗の前でふっかすてらを手にするOcean Mate 3のメンバー

SHIBUSAWA CUP 本選の概要

  • 日程:2026年11月7日(土)・8日(日)
  • 会場:深谷市産業祭
  • 出店:予選を勝ち抜いた5チーム(HAPICO/genesis/Ocean Mate 3/We love Yoshikawa/埼玉工業大学 深谷・本庄地域魅力発見プロジェクト)
  • Ocean Mate 3「ふっかすてら」:抹茶ブロッコリーかすてら/大和芋のもちもちかすてら(各1個300円・製造協力:西倉西間堂)
  • 主催:深谷商工会議所青年部(深谷YEG)

才能があったから挑戦できるのではなく、きっかけに出会えたから挑戦できる。5チームの挑戦を見ていると、まさにそう思います。HANA’S ACADEMIAのジュニアビジネス留学では、キャンプとオンラインコースで、子どもたちが自分のアイデアをかたちにする場をつくっています。

起業家教育の全体像はこちらの記事にまとめているので、ご興味をお持ちいただいた方はぜひご覧ください。

子ども向けの起業家教育で何が育つのか、家庭でできることは何かは、こちらの記事にまとめています。

第14期(2026年冬・つくば)は満員となりました。次回の第15期(2027年夏・セブ島)の優先案内は、こちらから受け付けています。
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近藤英恵

この記事を書いた人

近藤英恵(こんどう はなえ)

HANA'S ACADEMIA代表。セブの語学学校で校長として学校運営に携わり、その後は留学エージェントとして世界8カ国への親子留学・ジュニア留学をサポート、あわせて14年。母子3人でセブへ4年間教育移住した経験をもとに、小中高生の起業家教育プログラム「ジュニアビジネス留学」を運営しています(受講者378名以上)。

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